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第２７章
イエス様は馬屋で産まれましたか？
私にとって、何年もベツレヘムでのキリストの誕生は、私の心の情景では、雌牛と馬のためのだだっ広い家畜小屋を自動的に考えていました。私が大きくなった農場のあるミネソタには、このような家畜小屋が多くありました。けれども地中海の東と南の近東の地域での私の経験は、それ以来私の心の中の情景とは、異なるものを形成しました。
最初に、我々はベツレヘムがエルサレムから遠くないユダヤの村であったこと、そして農場動物が通常そこで保護されなかったであろうことを覚えていなくてはなりません。
明らかに、その町で本物の農場があったはずがありません。それ故そこには農場動物のための「家畜小屋」はありませんでした。
しかし多分、村の居住者がやぎを１、２頭、羊を２、３頭、あるいは雌牛さえ１頭を持っていたかもしれません。
しかしベツレヘムのような町の中に確かに我々が知っているようにな馬小屋はなかったでしょう。牛の群れや羊の群れを、暴風雨から守りながら、保護するための馬小屋は聖書の地域とその時代には、明らかに存在しませんでした。
動物保護施設として最も近いものは、羊小屋か「囲い」でした。 最も多くのものは、むしろ動物を暴風雨より泥棒と肉食獣から守るために壁で囲った開いている囲い地でした。
「馬屋stable」の単語はただ１度だけ聖書に（エゼキエル
25：5）現われます。そしてその言葉はキングジェームズバージョンで、「家畜小屋barn」として単数形と複数形で翻訳され９回出ています。しかしどちらかと言えば、動物のための家ではなく、穀粒と種のための倉庫
に参照されました。
ルカの福音書で、イエス様の母は、神の子を出産した後、「布にくるんで飼い葉桶に寝かせた」と言われます（２：７）。
飼い葉桶から動物が食物を食べますから、その場所から、我々西洋人がイエス様が馬屋で生まれたと結論することは非常に自然です。
しかしルカの重要な主張は「旅館に彼らのための部屋がなかったから」です。
ヨセフとマリアは新しく到着した旅行者であり、ベツレヘムには疑いもなく完全な見知らぬ人でしたから、当然宿泊のために公共の旅館に行きました。しかし、彼らは、旅館が同じ人口登録の目的で、ベツレヘムにすでに来ていた他の旅行者で満たされていたことに気付きました。
当時は、実際にフルのキャラバンでなかったとしても、動物と一緒に旅行することは習慣的でした。公共の旅館は、旅行者のためと同様、動物のためにも何らかの住宅を提供することが不可欠であることを知りました。そのために、通常旅館は、普通の農場の感覚の馬屋ではなく、我々の父親に知られているもっと古い「貸し馬車屋」の
ように宿泊施設に隣接し、関係づけられました。駅馬車の日々の物語が、人々に食物と宿を提供した道ばた旅館が、同じく馬あるいはラバにも食物と小屋を提供しなければならなかったことを我々に思い出させます。
キリストの時代には、旅行者がラクダとロバによってしばしば旅行しました。
そして当時の旅館は、通常これらの動物の「世話係」が朝までそれらを守るために、動物と他の所有物の近くで眠ることができた妥協策を提供しました。またもっと貧しい労働者が彼らの牽引家畜とともに、動物の宿舎に泊まることは一般的でないことではありませんでした。
ヨセフとマリアがその夜ベツレヘムで旅館に到着したとき、客室はすでに完全に満室でした。しかしながら、マリアは「身ごもっていた」（5節）ので、家畜やその世話係、キャラバンの使用人らが夜を過ごす場所以外に選択肢を持ちませんでした。
そこで、獣と粗野な荒くれ男のただ中に、マリアは「彼女の長子の息子を産みました」（７節）。その子は実は人の姿をした神でありました。そこは本当に赤ん坊が産まれるには、非常に下層の不都合な、妥当でない場所でした。このような身体的に嘆かわしい、そして社会的に屈辱的な状況で子供を産まなければならないことはマリア
にとって非常につらかったに違いありません。
しかしそこには、マリアが救世主の母親として、神を人間の家族に引き入れるために支払わなければならなかった、代価の一部があったことはだれも否定できません。
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