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第２５章
かみそりとひげそり
聖書記者の想定は、すべての男性たちが通常あごひげを持っていたことを、皆が知っていた、ということであったように思われます。
自分のあごひげの毛が引き抜かれるか、あるいはそり落とされることは、恥ずかしさと屈辱のしるしでした。「
シケム、シロ、サマリアから来た八十人の一行が、ひげをそり、衣服を裂き、身を傷つけた姿で通りかかった。」（エレミヤ
41：5）イザヤがモアブとその町への神の裁きを預言して、「皆、髪をそり上げ（shall be baldness）、ひげをそり落とす。」と言いました（イザヤ
15：2）。
ここに記された「はげ、baldness」は、皮膚に毛根が残っていない自然なはげでした。
死んだ頭皮と、剃られた顔は裁きと屈辱のしるしであるはずでした。
第２サムエル１０章で、アンモンの子たちがダビデの家臣を捕らえ、からかって、彼らに恥をかかせるために、ひげを半分そり落とし、衣服も半分、腰から下を切り落として追い返した物語を読みました。ダビデは、それに応えて彼らに、「ひげが生えそろうまでエリコにとどまり、それから帰るように」（５節）と言わせた。彼らが、残りの半分を剃り取ったために、生えそろうことは、より容易で速かったでしょう。けれども男性たちが通常あごひげを持っていましたから、きれいにそられた顔をいっそう目立たせました。
聖書でのこれらの言及は、ダビデのあごひげ（第１サムエル ２１：13）、メフィボシェトのあごひげ（第２サムエル 19：２５又は24）、アロンのあごひげ（詩編
133：2）とその他のものです。
多数の箇所で、かみそりの使用と、ひげをそる方法について言及されます。
「かみそり」が７カ所、「そる」、「そられて」、「そられた」が２５カ所に参照されます。従って疑問は生じます。もし男性たちが慣習的にあごひげを生やしていたなら、彼らはなぜかみそりを必要としたのでしょうか？
彼らはどのようにあごひげを生やして、そして同時にそられることができましたか？
聖書で、かみそりが一般に「頭の上に」おかれる物として話されることに、注意することは重要です。
特定の誓約によって特別な目的で主に彼自身を分離していたナジル人のための特有なしるしがありました。「ナジル人の誓願期間中は、頭にかみそりを当ててはならない。主に献身している期間が満ちる日まで、その人は聖なる者であり、髪は長く伸ばしておく」（民数記６：５）
。
同じく士師記 １３：５；１６：１７と第１サムエル１：11 に注目しましょう。
もしナジル人が何らかの不注意な行いによって、彼自身を汚して、献身の誓約を無効にしたなら、祭司の指示は明白でした。「七日目の清めの日に頭をそるべきです。そして
ナジル人は臨在の幕屋の入り口で献身のしるしである髪をそり、それを取って和解の献げ物を焼く火に燃やす。祭司は煮えた雄羊の肩と、籠から酵母を入れない輪形のパンと薄焼きパンを一つずつ取って、献身のしるしである髪をそり落としたそのナジル人の手に置き、与えるべきです」（民数記６：９、１８、１９）。
推論は明確に思われます。通常すべての男性たちは頭を剃りました。
しかしナジル人は、特別な方法で離れて神に専念させられるので、誓約の下にいた間は剃ることを思いとどまりました。
私が最初に北アフリカの選ばれた宣教地に到着して、受けた奇妙な印象を決して忘れないでしょう！ それは男性たちがすべてあごひげを生やしていましたが、頭の毛はきれいに剃っていたことです。それが非常に奇妙に思われました。たいていの男性たちが顔をそって、そして髪を頭の上に伸ばす我々の西洋の文化にだけ慣れていたからです。
北アフリカの上品に洗練された男性は、常に特別なゲストの面前や、屋外では魅力的なかぶりものをかぶるでしょう。
これは聖書の地域では遠い昔からの慣習です。
中東の男性たちが最初に滑らかにそられた顔をした、そして頭の上には髪を重く伸ばした西洋人を見たとき、同様に、彼らは疑いなく驚いて、ショックを受けました。結局、神は男の顔と頭の両方に髪を置きました。どちらの場所がそられて、どちらが刈り込まれるべきであるかを誰が言えるでしょうか？
古代のイスラエルの祭司は、他の部族の男性たちから独立していたので、彼らのドレスや祭司服で、ふつうとは別であるように要求されました。従って、彼らが神殿で奉仕をするとき神の指示を与えられました。「祭司は頭をそってはならない。また髪を伸ばしてはならない。頭髪はきちんと刈り込んでおかねばならない。」（エゼキエル
44：20）。祭司にはまた神聖な命令がありました。それは普通の男性たちのように頭を剃らない、またナジル人のように髪の房を長く伸ばさないことでした。彼らはただ髪を刈り込むだけでした。
これは当時彼らを普通の男性たちと異なっているとして、神の特別な奉仕者として選び出し特徴づけました。
特別な礼拝あるいは宗教的な儀式的に携わるとき、衣服を着替えて頭を新たにそってもらうことが普通の男のための通常の習慣でした。
今日、たいていの男性たちが数日間成長したあごひげを生やして教会に行くことを望まないでしょう。どちらかと言うと、新たに剃られて、きちんと手入れをすることを望むという事実に匹敵するでしょう。
この考えを保ちながら、族長ヨブに注意しましょう。
「ヨブは立ち上がり、衣を裂き、髪をそり落とし、地にひれ伏して言った。」（ヨブ1：20）彼は普通のローブをもぎ取って、そして神の前に謙遜の特別な衣服を着ました。使徒パウロは類似のことをしました。彼はユダヤ主義の敵をなだめるために誓約のために寺院に入ったとき、彼は彼自身と、彼に合流して頭を新たにそってもらった男性たちを清めました。（使徒
21：23 ，２４）
これは第１コリント１１：１４が言及することに付加的な重要性を与えます。「男は長い髪が恥である」
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